宮浜温泉 庭園の宿 石亭|旅館宿主がレビュー 実際に体験した温泉旅館
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宮浜温泉 庭園の宿 石亭|旅館宿主がレビュー 実際に体験した温泉旅館

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中森ちさと

宗志さん、中国地方でおすすめの宿泊施設はありますでしょうか?

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太田宗志

中国地方にはあまり赴いたことはないのですが、目標とする旅館があります。

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中森ちさと

たしかに伊豆から遠いですもんね。

目標にする旅館とは、いったいどちらなのでしょうか?

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太田宗志

はい。

世界遺産の厳島神社、宮島近くの宮浜温泉の「庭園の宿 石亭」さんです。

宮浜温泉 庭園の宿 石亭の写真

引用: 【庭園の宿 石亭】の空室状況を確認する - 宿泊予約は[一休.com]

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中森ちさと

宮島はとても綺麗ですよね。

 

それだけでも人気の旅館さんっぽいですが、なぜ、目標にされようと思われたのですか?

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太田宗志

運営している施設の一つ、「奈良偲の里 玉翠」は、和風庭園と竹林庭園、庭園が二つあり、それを活用して、お客様に自然を眺めるだけではなく、その中に身を置くことをコンセプトにしております。


この業界詳しい知人に庭園を売りをしている宿を伺ったところ、日本において、その代表格が石亭さんであると伺いました。

 

インターネットなどを見ているうちに、ぜひ見てみたいとずっと思っておりました。

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中森ちさと

念願叶って、足を運ぶことができたのですね。

 

実際に足を運ばれてみていかがでしたか?

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太田宗志

百聞は一見にしかずという言葉がありますが、足を運んでみると、知人の言葉に納得しました。

 

庭園という軸だけでなく、日本を代表する旅館だと切に思います。

 

様々な旅館があり、金額、コンセプトが異なるため、比較はするものではありません。しかし、そう思わざるを得ない旅館さんです。

宮浜温泉 庭園の宿 石亭の写真

引用: 【庭園の宿 石亭】の空室状況を確認する - 宿泊予約は[一休.com]

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中森ちさと

同業の方にそこまで思わせてしまうのは相当なんですね。

 

では、その魅力敵な部分について詳細を教えてもらっても良いでしょうか?

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太田宗志

素晴らしいことを挙げたら本当にキリがないんです。


同じ価格帯(一人5万円くらい~)やそれ以上の宿泊施設との大きな違いといたしましては、次の3点が全て高水準で充たされていることです。

 

  1. コンセプト、伝えたいことを中心に全てが設計されている統一感と徹底度
  2. 「無駄」の使い方が絶妙、かつハイセンス
  3. そこでしか体験できないことが、施設、料理、お風呂、サービスに織り込まれている。


単価が高い、人気と評判が伴っている宿泊施設さんならどれかはあるかもしれませんが、全てをかつ高水準で、という施設さんは日本広しとはいえ、ほぼないと思います。

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中森ちさと

なろほどー…といいたいところなのですが、経営的な話はちょっと私には難しいです笑

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太田宗志

たしかに、小難しいですよね笑

 

まず、石亭さんは、敷地内に1500坪の日本庭園があり、コンセプトとして掲げているそこを中心にお部屋、設備が展開されています。



本当に中心に展開されているんです。

 

例えば、全12部屋のお部屋は、庭園を囲むように建てられており、全て庭園に出ることができるような設計がされています。

 

そして、お部屋の窓も、全て庭園を眺めることができるよう、ガラス障子になっています。こんなに美しいガラス障子を見たのは、熱海の起雲閣以来です。

 

起雲閣は、今は宿泊施設ではなく、観光施設になっています。

 

極めつけは、庭園を眺めるためのお部屋以外のスペースが、池を眺める床下サロン(ライブラリー)、ラウンジ、凡々洞(洞窟のようなライブラリー)、文庫(隠れ家ライブラリー)と4つもあり、異なる視点から庭園を眺められます。

 

全てに数え切れない本がおかれており、そのほとんどでドリンクが飲み放題、ラウンジに至っては、季節の利き酒が楽しめます。

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中森ちさと

コンセプトの庭園を愉しむために徹底されているのですね。

 

では、2番目の「無駄」とはなんでしょう?

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太田宗志

旅館においては、「無駄」が単価を生むという格言があります。

 

ここでいう「無駄」とは、必ずしも必要ではないが、あったら余裕を感じるもの、満足度に繋がるものといったイメージです。

 

例えば、部屋にある、普通は設計しないような「無駄」なスペースが挙げられます。
ここには、多くの本が並べられており、なおかつ庭園を眺めることができます。この本も、施設におそらく数千冊設置されております。

 

普通に考えれば、滞在中に本を一冊読むのは困難であり、無駄と考えられるかもしれません。

 

あと、先ほどお話したサロンなどには、おそらく北欧のセンス抜群の高級家具が設置されております。

これも無駄の一つでしょう。

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中森ちさと

「無駄」というのが少しわかった気がします。

 

一方、そこでしか体験できないものというのはわかりやすいですね。

 

まだお話されていない、温泉、お風呂を中心にお願いします。

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太田宗志

まず、お風呂は、珍しい弱放射能泉です。

 

これには、ラドンという物質が入っています。

おそらく冷泉なので、加温をしているのだと思います。

泉質の珍しさもさることながら、お風呂の空間に音楽プレーヤーの設置、音楽のセンスも抜群、溢れるヒノキの香り、湯浴みの空間自体をデザインしています。

 

また、大浴場のお風呂の外の庭も、中庭のように丁寧に手入れされており、設置してあるたいまつも相まって、風情が溢れています。

 

このデザインされた湯浴み空間は、石亭さんならではでしょう。

 

次に、料理は、石亭といったら穴子飯というような看板メニューがあります。

まさしく、石亭でしか味わえないコンテンツの代名詞ですね。

もちろん、その他の料理も一品一品が美味しく美しいです。

 

庭園については、いくまでも無くですね。

そして、それらを仕上げているスタッフの方々も素晴らしいです。

 

玄関に入ったとき、6名くらいの方々にお出迎えされたのは驚きました。

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中森ちさと

素晴らしい施設であるのはわかりました。

 

それらができるのは、なぜなんでしょう?

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太田宗志

それがわかれば苦労はしないですね。笑 

 

しかし、経営者の方のセンスとこだわり抜く姿勢は並外れたものがあるかと思います。

 

そして、スタッフの方々、接客の方、清掃の方、全ての方に、お客様を満足させたいという思いと、余裕が感じられました。

 

実は、深夜の大浴場にて、仕事が終わった若い調理の方が入ってきて、お話をする機会がありました。

 

食事がとても美味しかった旨を伝えると、「そういっていただけることが何よりの喜びです。」と返してくれました。

 

この言葉と表情が、石亭さんが日本を代表する旅館であることを物語っておりました。

庭園の宿 石亭
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