よく旅行雑誌やサイトで"源泉かけ流し"っていわれていますが、
源泉かけ流しとは、どういったものでしょうか?
たしかに、今、源泉かけ流しが独り歩きしていますね。
様々な定義がありますが、源泉かけ流しとは、
①源泉から、②直接来ている温泉をかけ流している状態と、一般的に言われています。
この二つの条件を満たしているものが、源泉かけ流しといわれています。
なるほど、そのような条件があるのですね。
では、そもそも源泉とは何なのでしょうか?
源泉とは、温泉が出てくる源のことです。
源泉には、自噴しているものと掘削によって
温泉を引き上げているものがあります。
このあたりはかなり奥が深いので、
詳細は後日説明させていただきますね。
なるほど、とっても気になります!
では、もう一つのかけ流すとはどういう意味でしょう?
かけ流すとは、"一度使用した温泉は使用しない"という意味です。
"使用した温泉は使用しない"… 一度使用したものをまた使うことってあるんですか?
はい。
そもそも、源泉かけ流しを実現するには、
3つの条件が必要であると考えます。
それらを全て満たすのは、中々困難なんです。
そのため、ろ過と消毒、などをして
一度使用した温泉を使用することがあります。
これが、循環といわれる仕組みです。
なるほど、ぜひその3つの条件を教えてもらっていいでしょうか?
もちろんです。
まず、かけ流すメリットがある「泉質」であること。
温泉は場所に様々な泉質があり、その効能は多岐に渡ります。
中には、通常のお湯と変わらない温泉もあります。
その温泉をかけ流しても、お客様に温泉であることの価値を提供できません。
そのため、施設側としては、膨大なお金がかかる源泉かけ流しは避ける傾向にあります。
次に、かけ流すだけの「湯量」があること。
温泉をかけ流すには、とてつもない温泉の量が必要です。
例えば、ご自宅のお風呂で、常にお湯を出しっぱなしにすることを一年間続けたら、とてつもない水道代、電気代になりますよね?
お風呂の数、大きさにもよりますが、毎分100リットルは必要です。
日本広しといえ、一つの宿だけでその量を確保するのは困難です。
最後に、温度を調整する「技術」があることです。
温泉は地下を通ってくるため、温度が高いものがあります。
中には、100度近い温泉もあります。
100度の温泉に入ることはできないため、天然水を加えたり、外にそのままにしておいたり、それを適温に調整する仕組みが必要です。
また、源泉から施設まで距離があり、その間に温泉が冷めてしまうケースもあるので、かけ流す前に加温して適温にする場合もあります。
なるほど。源泉かけ流しの管理ってそんなに難しいんですね!
これだけ条件が厳しいということは、やっぱり循環より源泉かけ流しの方がいいんでしょうか?
いえ。そうとはいえません。
たしかに温泉の泉質を愉しむという観点からは、新鮮な温泉を常に楽しめる、源泉かけ流しが望ましいかもしれません。
しかし、泉質だけがお風呂ではありません。
例えば、海を見渡せる絶景の大型大浴場と、一人しかは入れない狭い源泉かけ流しのお風呂、どちらがいいかは個人の好みですよね。
ご自身が好みの温泉を選べばいいかと思います。