湯守りの仕事で気を付けていることはありますか?
湯守りの仕事は、大きく分けて日々の温泉管理、温泉設備の管理があります。
日々の温泉管理においては、調整を誤ったとしても、温度が高くなり過ぎないように注意しています。
設備管理においては、日々異常がないかの危険察知のセンサーを常に働かせています。
温度が高くなり過ぎないようにとはどういうことでしょうか?
湯守りのお仕事でお話をしましたが、お客様が心地よいと思う温度は、気温、気候、温泉の状態によって、一日ごとに異なります。
そのギリギリのラインを攻めるのですが、温泉がぶれた時に高温になってしまうと、お客様がやけどをしてしまいます。
元々自家源泉が90度近くあるため、最悪そのあたりまで温度が上がってしまう可能性を秘めています。
そのため、読み通りに気候や気温が変化しなかったとしても、熱湯にならないように調整しています。
なるほど。お客様にけがをさせないことを第一優先にしているわけですね。
お仕事で失敗をしてしまった、温度を高温にしてしまったことはありますか?
読み通りに気温が上がらず、適温より低めの温泉を提供してしまったことは何度かあります。その場合は、お客様にご指摘いただいた後、お詫び後迅速に調整いたしました。しかし、温泉の設備の不備と重なり、高温に温度がぶれてしまったことが一度だけあります。
"それは大変でしたね。どれくらいの温度になってしまったんですか?
はい。50度くらいの温度でした。お客様が軽いやけどをしてしまい、救急車を手配いたしました。
不幸中の幸いで、早期発見ができたため50度で済みましたが、もし放置していたら大変なことになっていたでしょう。
十年ほど前なのですが、今考えてもぞっとします。
温泉の設備管理においては、失敗はありますか?
設備管理ももちろんあります。
温泉の湯の花がつまらないように配管とその中をケアするのが仕事の一つです。
しかし、配管の曲がっている部分に湯の花が少しづつたまっているのに気づかず、温泉管がつまり、更に破裂してしまったことがあります。
その時は、どこに詰まっているのかを特定するのに1日、配管を修理するのに2日、合計3日程営業をすることができませんでした。
お客様のご予約もありましたので、多くの方に迷惑をかけてしまった、大失敗でした。それ以降は、より目を配らせて、配管の管理をしています。
温泉を管理する裏側とその失敗という、貴重なお話ありがとうございました。温泉により関心が持てました!
そう思っていただけましたらお話した甲斐がありました。温泉に興味を持っていただき、ありがとうございます。